中央臨床検査部のご案内(概要)
臨床検査は患者さまの病気の診断、治療方針の決定、経過観察、健康診断に用いられます。
臨床検査は大きく分けて2種類あります。患者さまの体から血液や尿など一部を取り出して調べる検体検査と、患者さまの体に直接触れて検査する生理機能検査です。
当院では検査測定装置の多くが順次更新されており、精度の向上と検査時間の短縮を行なっています。救急外来の主な検査は30分、診察前検査は60分を目標にしています。
採血室では患者間違い防止と待ち時間短縮に努めています。
生理検査室も個室化しており、落ち着いた環境で検査を受けていただけます。
中央臨床検査部では「迅速・正確な検査結果」の報告に努めております。特に患者さまに何度も来院していただくことなく検査できるよう、当日至急検査の依頼に対応しています。
採血量もなるべく少ない量で検査できるよう努めています。
また、各自が資格認定取得を目指すことで、検査室のレベルアップにつなげています。
※ 日宿直体制をしいており、夜間・日祝日の緊急検査に対応しています。
精度保証
中央臨床検査部では、日本臨床衛生検査技師会と日本臨床検査標準協議会が共に認証する「日臨技品質保証施設認証制度」を取得しています。日臨技品質保証施設認証制度とは、検査室が標準化や精度管理を積極的に行い検査精度が保証されている施設が認証される制度です。
24時間・365日、人々のために、地域のために、社会のために、信頼される中央臨床検査部を目指しています。
業務内容
臨床検査は大きく分けて2種類あります。患者さまの体から血液や尿など一部を取り出して調べる検体検査と、患者さまの体に直接触れて検査する生理機能検査です。またチーム医療にも参加しています。
検体検査
検体検査は、採血された血液や尿、細胞の一部など体から取り出したもので調べる検査です。
当院では「血液検査」、「生化学検査」、「免疫検査」、「一般検査」、「輸血検査」、「微生物検査」に分かれています。
採血室
採血室では患者間違い防止と待ち時間短縮に努めています。
休み明け、午前9時前後は混みあいます。午後が空いています。
赤血球数検査
赤血球は肺から受けとった酸素を全身に運び、組織が排出する二酸化炭素を肺へ運ぶ役割があります。
赤血球が減ると運ばれる酸素の量が足りなくなり、貧血が起こります。増えすぎると、血液が濃くなって流れにくくなり、血管がつまりやすくなります。
ヘモグロビン(血色素)値の検査
ヘモグロビン(血色素)は赤血球の主成分で酸素や二酸化炭素を運びます。
白血球数検査
白血球の役割は、体内に侵入した病原体や異物から体を守ることです。
体内に細菌や異物が侵入して炎症を起こすと、白血球数が増加します。
血小板数検査
血管が損傷されて出血した場合、血小板は止血するのに重要な役割をします。血小板数が減少したり、機能が低下すると、血が止まらなくなり、時には命の危険さえともないます。
生化学検査は血液や尿の中に含まれている多くの化学物質を測定するもので、それによって身体の健康状態、とくに各内臓関係のほとんどをチェックできることから、重要な検査の一つであります。 「血液検査のご説明」をご覧ください。
免疫血清学的検査は血液中の抗原や抗体反応を利用して感染や免疫に関係する検査です。感染症・腫瘍マーカー・ホルモン・コロナウイルス抗原検査を行なっています。
尿検査
尿検査で体の状態がよく分かります。健康な人の尿には、タンパクや糖などほとんど見られません。尿を調べると腎臓、膀胱の病気まで見つけることができます。また膀胱炎などの感染症の診断、時には悪性腫瘍の情報も得られます。
便潜血検査
便の中に血液が混ざっているかどうかを調べる検査です。
消化管内の出血の有無を調べることができます。
輸血を安全に行うために、患者さまの血液型を調べる「血液型検査」、輸血する血液が患者さまの血液と適合するか確認する「交差適合試験」等の検査を実施します。
検査の他にも血液製剤の発注・管理や副作用の管理等も行なっています。
患者さまより採取した検査材料から感染症を起こしている細菌を検出しています。
塗抹検査 検査材料をスライドガラスに塗り、染色して顕微鏡で観察します。
培養検査 細菌を培養して感染症の原因菌を調べます。
感受性検査 検出された病原菌が、どの抗菌薬が効くのか検査します。
生理機能検査
生理検査室
生理検査室は浅香山病院メディカルタワー2階にあります。
エコー検査とは、身体の表面にプローブと呼ばれる機器を当てて体の中に超音波を送り、やまびこのように跳ね返ってきた音を利用して身体の中を調べる検査です。
検査に使用する超音波は人体に無害で苦痛もなく、妊娠中の赤ちゃんにも使用することができます。
放射線を使用していないので被ばくの心配もありません。
超音波検査は全身のほぼすべてが検査対象となります。検査の部位により次のように分けられています。
- 腹部体表領域:腹部エコー、甲状腺エコー、乳腺エコー、体表エコー
- 循環器領域 :心臓エコー、経食道エコー
- 血管エコー :頸動脈エコー、腎血管エコー、下肢静脈エコー、下肢動脈エコー、シャントエコー
検査部位により検査時間も異なり、朝食を抜いたりおしっこを我慢したりしていただくこともあります。予約表を確認してご協力をお願いいたします。
心臓は筋肉でできています。その筋肉に弱い電気が流れることで筋肉が興奮し、心臓が動いています。この心臓に流れる電気を読み取り、波形にしたものが心電図です。
体に電気を流すのではなく、心臓の筋肉に流れている電気を読み取るので特に変わった感じはなく、痛みもありません。
心電図を見ることで不整脈や心筋梗塞、心筋炎、心肥大といった心臓の病気がわかります。
そのほかにも、ホルター心電図(24時間心電図を記録する検査)や運動負荷心電図(心電図と血圧計をつけて、自転車をこいで心臓に負荷をかけ、心電図の変化をみる検査)を実施しています。
ホルター血圧測定は、腕に巻くカフ、データを記録するために腰に装着する測定装置、そしてその2つをつないでいるチューブを身に着けることで30分ごと(夜間は1時間ごと)の血圧を24時間連続して測定することができます。
自宅で血圧を測ると高くないが白衣を見るといつも緊張して血圧が上がってしまう白衣高血圧や、血圧はふつう夜間徐々に下がり目覚める前から少しずつ上昇して昼頃に最大になりますが、このリズムが崩れてしまう仮面高血圧は、普段の診察だけでは見逃してしまう可能性があります。ホルター血圧測定を利用することで診断、治療へとつなぐことができます。
両下肢の動脈硬化の程度をみます。
動脈硬化になると、コレステロール等の脂質が動脈内に沈着し、血管が弾力を失い、硬化します。
この検査では、両下肢の動脈の詰まり、血管の硬さ、血管年齢をみます。
肺に出入りする空気の量を測定し、換気障害を調べる検査です。
換気障害は大きく分けて2種類(閉塞性換気障害と拘束性換気障害)に分類されます。
肺機能検査も簡易検査(肺活量・努力性肺活量)と、精密検査(簡易検査の2項目+肺拡散能力・機能的残気量)を実施しています。
また、気管支喘息の検査として呼気NO検査も実施しています。
呼気中(吐いた息)のNO(一酸化窒素)の濃度を測定し、気道の炎症状態をみる検査です。
気管支喘息の診断や治療効果の評価などに役立ちます。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が10秒以上止まる疾患です。ほとんどがいびきを伴います。
1時間あたり5回以上の無呼吸、もしくは呼吸が弱くなる低呼吸が発生している場合は、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
簡易検査は装着する機器を貸出し、ご自宅で検査していただきます。
精密検査(PSG検査)は簡易検査で睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、1泊2日の入院にて、検査項目を増やして詳しく検査をします。
脳は、生きている限り常にとても弱い電流を出し続けています。その電流が体中に伝わっていく事によって、人は物事を考えたり、しゃべったり、体を動かしたりすることが出来ます。
脳波検査は、金属の板(実際には直径1cm強の大きさの電極)を頭皮に張り付けてその電流をとらえ、波形として記録します。
脳波検査によって、てんかん、脳血管障害などがわかります。
チーム医療
入院中の患者様の栄養状態を把握し、介入が必要な患者さまを抽出し、必要な検査データを提供しています。カンファレンスは、毎週1回行われており、食事の改善や栄養補助食品の提案、輸液の提案をしています。
週1回の病棟ラウンドを行い、院内の感染源となりうる場所を早期発見し、院内感染を未然に防止しています。医師・看護師・薬剤師・検査技師がチームでラウンドすることでそれぞれの視点で感染対策の改善を行なっています。
重症の感染症(血液培養陽性)や抗菌薬使用者(広域抗菌薬・抗MRSA薬)を中心にカンファレスを週1回行い、患者さま一人ひとりに合った治療方針を検討し、主治医へ情報提供しています。
測定装置・検査項目
部門 | 装置名 | 項目 |
---|---|---|
血液 | XN-3000 | 血球計数・白血球分類・網赤血球数 |
SP-10 | 塗抹標本作製 | |
XQ-320 | 血球計数 | |
CS-5100 |
PT・APTT・フィブリノーゲン・D-ダイマー・FMC |
|
生化学 |
LaboSPECT006 |
LDH・AST・ALT・ALP・γ-GTP・CHE・AMY・TG・T-Cho・HDL-Cho・LDL-cho・TP・ALB・T-Bil |
D-Bil・BUN・UA・CRE・GLU・Ca・IP・Fe・Na・K・Cl・CRP・CK・CK-MB |
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THEO・DIG・VAP・PHT・CBZ ・TPLA・RPR・尿中Na・K |
||
RAPIDCHEM 754 |
炭酸リチウム |
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HA-8181 | HBA1c | |
Pocket Chem | アンモニア | |
フリースタイルプレシジョンネオ | 血中ケトン | |
免疫 |
HISCL-2000i |
HBs抗原・HVC抗体・HSs抗体・TSH・FT3・FT4・CEA・CA19-9・AFP・PSA・コロナ抗原定量 |
Centaur CP |
トロポニンI・BNP・プロカルシトニン・プロラクチン |
|
Toxinometer MT-6500 | β-Dグルカン・エンドトキシン | |
一般 | AUTION MAX AX4060 | PH・蛋白・糖・ウロビリノーゲン・潜血・比重・色調・ビリルビン・ケトン体 |
QUICK RUN | 尿蛋白・髄液蛋白・便潜血 | |
Quick 8 |
赤血球沈降速度 |
|
輸血 |
MC 450 |
血球洗浄 |
ECHO Lumena |
血液型・不規則性抗体・交差適合試験 |
|
採血 | BC-ROBO 8000 RIFID | 自動採血管準備システム |
血液ガス | Rapid lab 348 EX | 血液ガス |
細菌 | Versa TREK | 血液培養 |
Micro Scan Walk Away 40 |
全自動細菌検査システム(同定・感受性) | |
CFX96 Real Time System |
コロナPCR |
|
Gene Xpert |
コロナPCR | |
用手法 |
簡易キット |
インフルエンザ抗原・マイコプラズマ抗原・ストレプトA抗原・妊娠反応・水痘帯状ウイルス・単純ヘルペス抗原・コロナ抗原 |
便中ロタアデノウイルス抗原・ノロウイルス・CD抗原トキシン・尿中レジオネラ抗原・尿中肺炎球菌抗原・尿中ヘリコバクタピロリ抗体 |
検査名 | 使用機器 | |
生理機能検査 | 心電図検査 | Cardio Star FCPシリーズ4台 |
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24時間ホルター心電図検査 | 解析ソフトSCMシリーズ、記録器2台 | |
運動負荷心電図検査 | ストレステストシステム ML-9000H | |
血圧脈波検査(ABI・CAVI) | Vasera 3000 | |
24時間血圧測定検査 | 解析ソフト BH-270、記録器2台 | |
呼吸機能検査(VC・FVC・FRC・DLco) |
オートスパイロメーター System 21 | |
呼気NO検査 | NIOX | |
睡眠時無呼吸検査 |
簡易検査解析ソフト SAS-2100 2台 ウォッチパッドユニファイド1台 解析ソフト Alice sleepwere、Alice PDX |
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脳波検査 | Neuro Fax EEG-1214 | |
超音波検査 | 腹部超音波検査(肝造影検査含む) |
Xario SSA-660A 2台 Aplioα 1台 |
体表超音波検査(乳腺・甲状腺・体表) | ||
心臓超音波検査(経食道エコー含む) | ||
血管超音波検査 |
スタッフ紹介(医師紹介)
資 格 : 日本内科学会 総合内科専門医
所属学会 : 日本内科学会
資格一覧 |
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検体採取等に関する指定講習 |
21名 |
超音波検査士(消化器領域) |
3名 |
超音波検査士(循環器領域) |
1名 |
超音波検査士(血管領域) |
1名 |
救急検査認定技師 |
2名 |
緊急臨床検査士 |
2名 |
日本臨床神経生理学会認定技術師(脳波分野) |
1名 |
栄養サポートチーム専門療法士 |
1名 |
認定血液検査技師 | 1名 |
日本睡眠学会認定技師 |
1名 |
二級臨床検査士(微生物) |
1名 |
二級臨床検査士(血液) |
1名 |
精度管理責任者 |
1名 |
防火管理乙種 |
1名 |
分析機器・試薬アナリスト |
1名 |
大阪府肝炎医療コーディネーター |
6名 |
タスクシフト |
5名 |
臨地実習指導者 |
1名 |
メンタルヘルスマネジメント検定、Ⅱ種、Ⅲ種 |
1名 |
2024年3月現在