放射線科のご案内(概要)
CT、MRI、シンチグラフィー、X線写真、消化管造影などの画像診断を放射線科スタッフや各部署と連携しながら行なっています。(下線付き検査項目をクリックすると詳細説明へ移動できます。)
患者さまのより良い診療に繋がるよう、スタッフ一同、日々努力しております。
上記検査に関しては外部医療機関からの検査予約も承っておりますので、当院の地域医療連携室にご連絡ください。
尚、血管に挿入するカテーテルを用いた腹部等のインターベンショナルラジオロジー (IVR) 治療は大阪公立大学の熟練した専門医と連携して行なっております。
※下記の項目をクリックすると動画を見ることができます。
疾患例
肺がん
日本人の肺がん死亡数は、男女ともにがんによる死亡数の上位を占めています。喫煙中、あるいは喫煙歴が長い方、血縁者に肺がんになった方がいる等、肺がんになる危険性が高い方には低線量CT肺がん検診がおすすめです。従来CTに比べ、肺がんの検出能力は保ったまま、放射線被ばく量は約1/10に抑えた検査です。
①のレントゲン写真では肺がんは分かりにくいですが、②のCTでは明瞭です。
治療は呼吸器内科で行います。
そけい部ヘルニア
足の付け根の辺りが膨らむ、違和感や痛みがある、という症状で発見されます。立っている時にこれらの症状が強くなるのも特徴です。
③のCTでは大きなそけい部ヘルニアのため、足の付け根の辺りに腸が脱出しています。
治療は外科で行います。
尿路結石
腰の痛み、血尿などの症状で発見され、細い尿管に結石が詰まる病気です。④の写真では尿管に詰まった結石を認めます(→)。
体外から結石衝撃波を当て、結石が流れやすいように細かくする、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)という体への負担が少ない治療の後、⑤の写真では尿管に詰まっていた結石が排出された様子が分かります(→)。
治療は泌尿器科で行います。
認知症
もの忘れ、趣味に対する関心がなくなる、怒りっぽくなる、気分が落ち込む、歩き方が小刻み、いないはずの虫や人が見える、などの症状が診断のきっかけとなることがあります。
放射線科ではMRI(VSRADを含む)、脳血流シンチ、DATシンチ、心交感神経シンチ、CTなど、画像に関しては総合的な観点から診断に寄与することができます。認知症には様々なタイプがあり、いくつかの画像を紹介いたします。
総合的な診断は当院の認知症疾患医療センターで行なっております。
※下記の項目をクリックすると画像と説明文を見ることができます。
新しい治療薬が近年登場しており、画像診断の重要性が増しています。下の写真は左右ともに同一人物ですが、⑦の画像は、⑥の画像撮影から5年経過した時点のものです。記憶に関わる「海馬(かいば)」を含む脳(→)の萎縮が進行しています。
⑧の写真は複数の黒い点は古い出血を示しています。
正常(写真⑨)では心臓の辺り(白丸)に黄色や黄緑色の核種の集積が確認できますが、レビー小体型認知症(写真⑩)では確認できません。
⑪の写真のMRIでは片方の脳(側頭葉)が反対側に比べて強く萎縮しています。⑫の写真の脳血流シンチの赤い色は脳の血流が特に低下しているところです。
手術で症状が改善する場合がある認知症なので画像による診断はかなり重要です。⑬の写真は正常圧水頭症ですので、拡大した脳室(→)に押されて脳と脳の隙間が狭くなっています。⑭の写真でも脳室(→)は拡大していますが、正常圧水頭症のためではなく、脳萎縮によるためですので、脳と脳の隙間は狭くなっていません。
⑮の写真(進行性核上性麻痺)のMRIでは、中脳(→)が萎縮しています。
下段写真はDATシンチで、紫色に囲まれた部分は脳の基底核という場所です。
進行性核上性麻痺の⑯の写真では、そうでない⑰の写真に比べて基底核の色が暗くなっています。
検査実績
検査実績は放射線室をご覧ください。