精神科のご案内(概要)

精神科医療では精神障害者の疾病構造や状態像に適した治療・療養環境の充実に注力し、社会的要請の特に強い超急性期の精神科入院治療が行える救急病棟をはじめ、急性期治療病棟・(急性期)認知症治療病棟・療養病棟などの専門機能病棟を整備しております。
また、社会復帰支援におきましては、デイケア室、作業療法室、臨床心理室、医療福祉相談室、サポートハウスアンダンテ、アンダンテ就労ステーションが一体となって取り組んでおります。皆さま方が安心をして治療が受けられるように全力をあげてまいります。

代表的な疾患

当院で主に治療を行なっている、統合失調症、気分障害、認知症についてご紹介します。

統合失調症

約100人に1人発症する病気で、決してまれな病気ではありません。何もないのに人の話し声が聞こえたり、色々なことを疑り深く考えすぎたりする症状が出現します。治療は、お薬による治療が効果を出す場合が多く、お薬の種類も病状に合わせて選択できるようになってきました。

気分障害(うつ病など)

落ち込んだ気分が続くような場合やその逆に高ぶった気分が生じる場合があります。落ち込んだ気分が中心となる病状をうつ病といい、その逆に高ぶって気分が続く場合を躁病といいます。また、うつと躁を繰り返す病状を双極性障害といいます。
うつ病については、薬剤による治療、精神療法、修正型電気けいれん療法、rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)などで治療を行います。
双極性障害については、薬剤による治療、精神療法を中心に行います。

認知症

2025年には、日本で700万人の人が罹患するといわれています。認知症の分類としては、頻度が多いのがアルツハイマー型認知症、次に脳血管型認知症となります。また、行動障害がでやすい認知症に前頭側頭型認知症、幻視が出やすい認知症にレビー小体型認知症などがあります。当院では、認知症疾患医療センターのもと、診断治療を積極的に行なっています。

治療方法

薬物療法、精神療法、先進医療などを組み合わせて治療を行います。

薬物療法は最も基本となる重要な治療法です。薬物療法の目的は幻覚、妄想、不隠、興奮、抑うつ、躁、焦燥、不安、緊張、強迫、不眠などのさまざまな症状の改善と、症状が安定した後の再発予防にあります。

認知行動療法、集団精神療法など、抱えている問題について話をすることを通じて、医師をはじめ公認心理師や作業療法士など様々な職種が協力して治療を行います。

難治性統合失調症の方を対象に、クロザピンという薬を使った治療を行なっています。クロザピンは副作用の重さから厳密な管理が必要ですが、当院では長年実施しており現在も症例を重ねています。

レカネマブは、「アルツハイマー病による軽度認知障害または軽度の認知症(MMSE(※1)22点以上)」への効果・効能が認められた医薬品です。
まず初めに、当院で認知症鑑別診断(※2)を行います。症状の原因がアルツハイマー病であると診断され、医師が適応の範囲であると判断した場合は、患者さまへ選択肢の一つとして治療に関する詳細な説明を実施します。レカネマブの投与を希望された場合はPET検査(※3)を行い、その結果に基づき治療開始日を決定します。
なお、他の病院で認知症鑑別診断を受けられた方、レカネマブ投与のみのご依頼、血をさらさらにする薬等を服用されている方、脳出血の既往がある方などは当院では適応範囲外となります。

※1 MMSE…認知症スクリーニング検査
※2 認知症鑑別診断…認知症状の原因となる疾患を特定するためのもの
※3 PET検査…当院では検査ができないため、検査可能な他の病院をご紹介

重度うつ病や統合失調症の方を対象に、修正型電気けいれん療法(m-ECT)を実施しています。手術室にて麻酔科医とともに行います。

浅香山病院ではうつ病の治療方法であるrTMS治療の保険診療を行なっております。適応範囲はまだ限られていますが、抗うつ薬治療で効果が十分でない方は、ぜひ一度ご案内をご一読ください。

rTMSによる治療のお問い合わせは、精神科医療連携室までご連絡ください。

患者数実績

2023年度実績

一日平均入院患者数  619.2名
年間新入院患者数  1,153名
年間退院患者数  1,133名
年間外来患者数  48,659名(165.5名/日)

学会認定(施設)

  • 日本精神神経学会研修施設
  • 日本総合病院精神医学会専門研修施設
  • 日本認知症学会専門医教育施設
  • 日本老年精神医学会認定施設
  • 日本臨床神経生理学会認定施設(脳波分野)